コロンビア=Farcの人質解放開始=猫も一緒に無事に自宅へ=新たな誘拐発生の矛盾も
ニッケイ新聞 2011年2月12日付け
コロンビア革命軍(Farc)によって19カ間捕虜となっていた、サンホセ・デウ・グアヴィアレ市のマルコス・バケロ市議(33)が、9日に解放され、無事保護されたと10日付フォーリャ紙が報じた。
今回の解放は、ゲリラ側が約束した5人の中、最初の引き渡しで、残る4人も13日までに解放される予定だ。
「私の最初の言葉は私の妻と息子に送りたい。彼らを愛している」とバケロ氏はカラコウ・ラジオで述べた。
バケロ氏は、妻と二人の息子との再会後、「最も苦しかったのは、話し相手が誰もいなかったこと。唯一の相手は猫だった」と述べた。この猫は家族が飼っていたもので、バケロ氏と一緒に捕えられ、19カ月を共に過ごした後、一緒に家族のもとへと帰った。
同市議は、他の人質解放のために、地元での行進デモを行うことも約束している。
今回の人質解放は、国際赤十字社がピエダデ・コルドバ元上院議員主導の下、実現にこぎつけたもので、協力を要請されたブラジル政府が、2010年の救出活動同様、コロンビア革命軍が指定したジャングル内の解放地点からコロンビア中央までの人質輸送のため、軍のヘリコプター〃クーガー〃2機を提供した。作戦終了後には、ブラジル政府に対する赤十字社からの感謝声明も発表された。
一方、コロンビア政府は10日、人質解放が始まった9日にコロンビア革命軍が多国籍企業で働く従業員二人を誘拐したことに抗議したと11日付同紙が報じた。
フアン・マヌエル・サントス大統領によると、カウカ県エル・タンボ地方で9日午後誘拐されたのは、フレディ・クエンカさんとオーランド・ヴァウデスさんで、大統領は「人質を解放する一方、他の場所で誘拐をしている」とゲリラ側の矛盾について述べた。
コロンビア革命軍は麻薬組織、特にコロンビアの2大マフィアと呼ばれるメデジン・カルテルとカリ・カルテルとは非常に深い関係にある。圧倒的な武力を持つゲリラが大統領候補の暗殺をする一方、マフィアは多くの議員にヤミ献金を送るなどして、コロンビア革命軍を支援している。
コロンビア革命軍やコロンビア国民解放軍(ELN)などの左翼ゲリラが国土の3分の1近くまで勢力を伸ばしている中、1997年には、それら左翼ゲリラに対抗する形で極右私兵組織のコロンビア自警軍連合(AUC)なども現れた。