ニッケイ新聞 2011年2月15日付け
サッカーの歴史の中で最も輝かしいキャリアを持つ選手の1人、ロナウド・ルイス・ナザリオ・デ・リマ(34)が、14日月曜日にサッカー界からの引退を発表した。
ひざのケガなどで8回もの手術を受けたロナウドは、奇跡ともいえる復帰を果たしたが、その後も多くの故障に苦しみ、体力の限界を理由に、現役から退くことを表明した。数年前から甲状腺に問題を抱えていたことも明らかにし、「素晴らしく、感動的で、信じられないようなプロ人生だった。数多くの敗退もあったが、数え切れない勝利もあった。たくさんの友達を作ったが、敵を作った覚えはない。私は多くの人々に感謝をしなければならない。お世話になったクラブや一緒に戦った選手達、忠実だった人やそうでなかった人、良好な関係を持ったトレーナーの人達や意見の相違があったトレーナー達、自分を信じてくれたスポンサーにも感謝したい」と述べた。
ロナウドは1993年のプロデビュー以来、471点ものゴールを決めており、2002年W杯日韓大会で得点王に輝いたほか、FIFA(国際サッカー連盟)の年間最優秀選手にも3度選ばれた。所属していたコリンチアンスで今年末までのプレーを希望していたものの、南米クラブ王者を決めるリベルタドーレス杯でチームが敗退したこともあり、引退の決断を早めた。
2010年、11年のリベルタドーレス杯での敗退は最悪の瞬間だったといえる。とくに同杯前哨戦で敗れた最後の試合後は、一部の人たちから暴動まがいの抗議行動を受け、チームのバスは石を投げつけられた。また、選手らは侮辱され、クラブの壁は落書きされた。もちろんロナウドが最大の標的だった。
元選手として既に次の計画を立てており、起業家として自分の資産をコントロールしていくもようで、7月には友達らを集めて正式なお別れパーティーをするつもりと話した。また、近いうちに『クリアンド・フェノメノ』という社会的教育施設の建設構想を発表した。