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郵政公社=銀行業務契約で新規入札=ブラデスコ急成長の鍵=10年で1千万の口座開設=次の5年はどこが担当?

ニッケイ新聞 2011年2月16日付け

 2002年に始まった郵便局での銀行業務契約が、12月末で2期10年を迎えるため、次の5年間の業務を担当する銀行選定のための入札が行われる。15日付フォーリャ紙によれば、入札規定の発表は18日で、現行業者のブラデスコも他行と同じ条件で入札に参加する事になる。

 ブラジルの郵便局が、一般銀行並みに預金や融資、水道や電気料金の支払受付などを始めたのは02年。業務を担当したブラデスコは、以来、1千万余りの新規口座を獲得しており、郵政公社が発表した同業務収益は、2010年だけで3億5千万レアルとされている。
 カルドーゾ政権下で導入された郵便局での銀行業務は、全国5271市6023局で実施されている。内1800局は当該市に銀行が1行も無い地域に開設され、地域住民に、預金や融資、各種料金の支払、年金受け取りなどの窓口確保という恩恵をもたらした。
 一方、業務を担当するブラデスコ側も、業務開始後数カ月で郵政公社直営局のみとの銀行業務導入対象枠が外され、獲得可能な顧客数が一気に拡大。郵政公社直営局の大半は内陸部にあるが、枠撤廃により、都市部を中心とした委託経営の局でも業務を行う事が可能となった。10年足らずで開設された口座は1040万に上り、1日に4500件の口座が新設された事になる。
 銀行業務による年間収益は、口座維持費だけで8億4580万レアルに上り、払い出しや残高照合、クレジットカード発行や融資などによる収益もある。ブラデスコは明言を避けたが、郵政公社側の昨年の事業収益3億5千万レアルという発言は、同行の決算報告に基づくもののようだ。
 郵便局での業務は、ブラデスコが昨年、国内民間銀行トップ、世界でも6位に躍り出た要因の一つと考えられている。入札には216億レアル以上の株式を有するなどの参加条件があり、同行以外に、ブラジル銀行、イタウ・ウニバンコ、サンタンデルの最低3行が参加する可能性がある。
 今回の入札での落札者は、5年契約で5年の延長が可能。最低入札額は、ブラデスコが計上したとされる昨年の収益3億5千万レアルを5倍にした17億5千万レアルとなる見込みだ。
 多額の金が動く事で汚職事件も起き易い郵政公社だが、18日に発表される規定書への批判や提案を受け付けるための公聴会は25日に開催される予定。入札の結果は7月までに決まるという。