ニッケイ新聞 2011年2月16日付け
平成22年(2010年)度NHK全国俳句大会が先月23日、NHKホールで開催され、サンパウロ州ミランドポリス市アリアンサ在住の新津稚鴎(96)が大会大賞の栄冠に輝いた。他にブラジルから特選3人、秀作7人が選ばれるなど、ブラジル俳句の熟練ぶりが証明されることになった。
題詠を「明」として同大会には自由題あわせて4千5百句以上が寄せられ、ブラジルから特選の荒井知里さん、西田はるのさんが参加した。
大会中には、2人が大きなスクリーンにイペーの花が映し出される中でインタビューされるなどの演出もあった。
その模様が19日午前3時からNHKの衛生放送で放映される予定。
以下がブラジルの特選、秀作作品
【特選・全国俳句大会大賞】
アマゾンを溯りくる白雨かな 新津稚鴎
【特選・海外作品賞】
国二つ背負いひたすら耕せり 新井知里
飢えさせし子にいたわられ春の風邪 西田はるの
アマゾンに齢かさねて夕涼み 服部タネ
【秀作】
鍬捨てず移民忘れず耕せり 廣瀬美智子
地平まで続くコーヒー花明かり 加藤淑子
木も花も人も明るし良夜かな 長島裕子
父の日や眷族百人と言う笑顔 中川千江子
アマゾンに一夜の日本盆おどり 佐藤あさ乃
ポンチョ着て角笛吹いて牛追等 村松里乃
子を背に棉を摘みたる星明り 須賀あつ子