ニッケイ新聞 2011年2月17日付け
ルーラ前政権の未払金によりジウマ政権の費用が増加し、インフレ上昇の可能性ありと16日付フォーリャ紙が報じた。
1月は何一つ新しい作業を開始していないにも関わらず、ジウマ政権は昨年12月に止められていた支払いを再開しなければいけない。
ジウマ大統領は総額115億レアルもの負債を前任のルーラ氏から受け継いでおり、これが政府支出の増加に直結。政府支出が増えれば、インフレ抑制も難しくなる。
一方、政府が発表した500億レアルの経費削減方針にも関わらず、市場関係者は年間のインフレ率の予想値を上方修正したと15日付エスタード紙が報じた。
最も悲観的なのは中期のインフレ予想で知られる5機関で、公式インフレ指数の拡大消費者物価指数(IPCA)は、政府目標上限の6・5%を超えると予想している。
インフレ率を上回る形で製品価格やサービス料を設定する企業が増えていることが予想され、雪だるま式にインフレが進む可能性が指摘されている。
LCAコンサルタントの首席エコノミスト、ブラウリオ・ボルジェス氏によると、今年の物価は2010年度の〃呪われた遺産〃を受け継ぐことになると強調。昨年のIPCA5・91%を基に再調整されたサービス料は、年間のインフレ予想が5・2%であっても、実質7・7%引き上げとなるはずだという。
13日付エスタード紙の、1月までの12カ月の左官や家政婦、床屋などの非正規雇用者のサービス料は、同種業界の価格調整基準である4・93%に、家賃の値上りや医療保険の契約更新分などを上乗せし8・45%も調整されたという記事は、同氏の発言を裏付ける例の一つだ。
また、16日付フォーリャ紙などには、昨年中の外食費の値上がりは、16・35〜26・57%との報道もある。
同紙によれば、政府支出の削減に関し、15日に持たれたギド・マンテガ財務大臣、ミリアン・ベウキオル企画大臣との会議に臨んだネルソン・ジョビン国防大臣は、防衛省関連の投資と経費から、予算の4分の1以上にあたる40億レアルのカットを要求された。国防省予算は政府予算内で4番目に大きな額を占めており、ジョビン大臣は会議後も予算削減についての言及を避けている。