ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

下院が最賃R$545案を承認=新政権初の難関突破か=上院の審議予定は23日=調整は実質インフレ下回る

ニッケイ新聞 2011年2月18日付け

 2月から再開された下院で16日午後、ジウマ政権最初の試金石とされていた最低賃金の審議が行われ、政府案通りの545レアルが絶対多数で承認された。

 開始前から政府案通りの545レアルで承認されるといわれていた下院の最賃審議は、野党提出の2最賃案を難なく否決後、形だけの投票で幕を閉じたようだ。
 17日付伯字紙が、カルロス・ルピ労働相更迭の可能性もちらつかせた役職交渉と、前政権下で支払が滞っていた議員立法分の予算解放などの政治駆け引きが奏効と表現するほど、圧倒的な勝利をおさめた新政権。
 しかし、政府案承認後の下院では、政府案提唱役を演じた中央労組(CUT)元リーダーのヴィセンチーニョ下議に労働者達の罵声がとび、労働者党(PT)政権らしからぬ光景も見られた。
 16日の本会議では、政府案の前に、民主社会党(PSDB)提出の600レアル案と民主党(DEM)提出の560レアル案の2案が表決されたが、PSDB案は賛成106、反対376、棄権7で、DEM案も賛成120、反対361、棄権11の圧倒的多数で否決。政府案は絶対多数で承認とあり、形だけの挙手を行ったようだ。
 インフレ高進の気配の中での最賃額引上げに抵抗感を示していたジウマ大統領が、前政権が年末に設定した最賃額540レアルの変更を認めたのは、昨年の年間インフレが最賃を540レアルに設定した時点の指数を上回っていたからだ。それでも、新最賃適用となる3月には、累積インフレ率を0・55%下回る調整となるという。
 PT政権初の実質インフレ以下の調整となる最賃545レアルは、民主運動党(PMDB)が全員賛成など、一枚岩的様相で承認。大手労組フォルサ・シンジカル会長のパウロ・ペレイラ・ダ・シウヴァ下議所属で、560レアル案を考えていた民主労働党(PDT)は、労相更迭の脅しもあり、3割強の9人が反旗を翻すに止まるなど、与党全体で野党案に賛同したのは16人だった。
 上院での最賃審議は23日の予定だが、サルネイ議長も既に「承認」の言葉を口にするなど、政府原案が覆される可能性は低い。
 一方、政府案承認と引き換えに支払停止中の予算解放など、初期支出は従来政権以上の新政権。議員立法で承認されたが提案者が落選した件は経費削減対象とするなど、インフレ対策に躍起のスタッフを尻目に、専門家の間ではインフレ抑制はますます困難との見方が広がり始めている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button