ニッケイ新聞 2011年2月19日付け
17日、サンパウロ市役所前で市内を走るバスの運賃値上げに抗議する学生らがマニフェストを行い、軍警の暴動鎮圧隊と衝突したと18日付フォーリャ紙が報じた。
バスの運賃が1月5日に2・70レアルから3レアルに値上がりしたことに対する抗議行動は6回目で、17時頃には学生を中心に400人もの人が集まった。
ジョゼ・アメリコ、アントニオ・ドナト、ジュリアナ・カルドーゾの3人の市会議員は学生らと警察隊の間に入り、議論を交わしたが、市長のジウベルト・カサビ氏は市役所内に引きこもった。
一部の若者は警察に対し、花火やゴミ袋を投げつけ、警察はゴム弾や催涙スプレーなどで応戦した。負傷者の中には、抗議の様子を撮影していてゴム弾の被害にあったカメラマンもいたと、同紙は報じた。
抗議参加者の内6人は、市役所内のエレベーターホールにある改札口(カトラッカ)に鎖を使って体を縛り付け、座り込みを行った。
これら6人の学生は、21時30分頃、一旦市役所から出ることを決めたものの、身分を明らかにしろとの警察側の要求に対し、正面玄関から出たいし身分も明かさないと口論となり遅延。
交渉の末、彼ら6人は名前は明かしたもの、23時20分頃、正面玄関から出ることを警察側から承認された。彼らが正面玄関から出たとき、様子を見守っていた仲間からは歓声があがった。
座り込みを行った学生の1人、ギレルミ・モナコ氏(21歳、法学部)は、値上げを議論することができなかったので残念だったと話し、「やれるなら、またすべてやりたい。車を持っているので、公共交通機関を使用することはあまりないけど、値上げで損する人たちを支援するために参加している」と説明した。