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ベラス・アルテス閉店へ=文化財に指定されるのか?
ニッケイ新聞 2011年2月19日付け
サンパウロ市ベラ・ヴィスタの映画館ベラス・アルテスは、入居している建物の所有者と契約を更新することが出来ず、24日(木)に閉店すると17日付エスタード紙が報じた。
ベラス・アルテスの共同経営者の一人、アンドレ・シュトゥルムさんはスポンサーの提供で年間100万レアル(月々8万5千レアル)の家賃を払うと申し出たが、建物の所有者フラヴィオ・マルフィ氏は月々15万レアルを請求しており、折り合いがつかなかった。同映画館閉店に反対する人々は1月からデモを繰り返し、ネット上でも7万人もの陳情がなされたが、その努力もむなしく、同意はなかった。
最後の上映は24日となっており、それから4日間の内に建物を明け渡さなければいけない。
シュトゥルムさんは、「上の階に何か新しいものを開けたかったが、契約が心配で考える時間が無かった。私は状況が逆転することを期待しています」と話した。
交渉が終わったにもかかわらず、文化局のサンパウロ市歴史・文化・環境遺産保存審議会(Conpresp)では、文化財に指定する審議が行われており、ベラス・アルテスの関係者は指定され閉店をまぬがれることを願っているが、ベラス・アルテスが入居する建物は、1940年の建設以来、これまで何回もの改装が行われており、歴史的建造物としての価値は減少しているため、文化財への指定は難しいと考えられている。
ベラス・アルテスはパウリスタ大通りとコンソラソン通りの交差点の一角で、1943年から映画館として操業していた。