ニッケイ新聞 2011年2月19日付け
16日に下院で行われた最低賃金交渉で、全員一致で政府案の545レアルに賛成した民主運動党(PMDB)が、様々な役職という報酬を要求し始めたと18日付エスタード紙が報じた。
同党では、ミシェル・テメル副大統領やエンリッケ・エドゥアルド・アウヴェス下院リーダーらが政府案に反対の意向を示していた議員の説得などに奔走。最終的には所属議員全員が審議に参加したのみならず、一人の反逆者もなく政府案に賛成を表明した事を珍しいと評した新聞もあったが、見返りに、上下両議長選出や最賃審議後にと約束されていた各種ポストの要求再開の記事は、国民生活に直結する最賃問題も政治駆け引きの道具だった事の表れ。
具体的には、人選は未確定のものも含め、ブラジル銀行副総裁や連邦貯蓄銀行主要部門の長、ペトロブラスの供給部門担当理事などのポストが約束されているようだ。
その一方、所属議員が審議に欠席したり、野党案に賛成したりした与党や議員にどんな懲罰を科すかを政府が検討し始めたとの記事も同紙。下院での最賃審議時「ジウマ大統領はトラクター並みの勢いで圧してくる」といった議員がいたとの17日付伯字紙記事を裏付けるような動きは、上院審議でも続くようだ。