ニッケイ新聞 2011年2月23日付け
〃サッカーの王〃ペレが、2014年にブラジルで開催されるワールドカップ(以下、W杯)について、ブラジルが恥をかくのではないかと心配していると、19日付エスタード紙が報じた。
18日にサンパウロ市で開かれた行事に出席した際の発言で、ペレによると、W杯開催に向けた準備は相当遅れており、「私たちブラジル人は主催者として恥をかくことになる」と述べている。
自分の名前もブラジルでの開催に少なからず関与しているペレは、工事を急ぐようにと要請している。「私たちが今まで世界中を飛び回って票を集めたりしたのに、こんな状態では本当に心配だ。ブラジルは盛大なW杯開催の義務があるのに、残念ながら工事の方は遅れているし、サンパウロについての論争も収まってない」と述べ、ブラジルサッカー界の土台とも言うべきサンパウロのW杯会場が未だに決まっていないことに驚いていると説明した。
同日のペレはロナウドが引退会見で自分の失敗などを謝ったことについても言及。ロナウドがいろんな国のクラブチームで活躍したことを話し、「彼が悪いわけではない」と述べ、優秀な選手でも良い時期と悪い時期があると説明した。
一方、W杯用の球技場建設で受刑者らを雇っている例があると20日付フォーリャ紙が報じた。
マット・グロッソ州クイアバの刑務所に収監中で、日中の外出が認められるようになった、麻薬密売や強盗、強姦などで捕まった人たちが2014年の競技会場建設に携わっているもので、パンタナウ球技場の建設に昨年8月から参加している受刑者は8人いる。
国家法務審議会(CNJ)による更生プログラム『コメッサール・デ・ノヴォ』(再び開始)では、今年から3年間の内に約1千人の受刑者をブラジル全国12の開催地で雇用する考え。
同プログラムの導入や参加を歓迎する受刑者もいるが、クイアバの場合は、暑さや薄給(最低賃金)、朝7時〜午後5時の過酷な労働時間のせいで興味を無くす受刑者もおり、全国12都市での人員確保は難航気味のようだ。