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コチア青年定期総会=55周年で充実した1年送る=次の60周年に向け第一歩=新会長は白旗信さん=念願の東宮御所訪問叶う

ニッケイ新聞 2011年2月24日付け

 コチア青年連絡協議会(新留静会長)の定期総会が20日午前、サンパウロ市の宮城県人会館で行なわれ、約100人が出席した。創立55周年及び花嫁移住51周年式典、それを記念した初の三世訪日研修団、記念文集の発行などの充実した仕事をやり終えた現執行部は退任し、役員改選によって白旗信(まこと)会長ら新執行部が選任され、60周年に向けて新たな一歩を踏み出した。

 先亡者に黙祷が捧げられた後、新留会長が開会の挨拶で、「50周年と同じ規模の700人による55周年が挙行できたことは望外の幸せ。みなさまの協力に感謝したい。60周年までがんばりましょう」と謝辞をのべた。
 議長には広瀬哲洋さんが選ばれ、坂本龍男副会長から昨年度事業報告が行なわれた。年6回のゴルフ大会、年4回の会報発行、国士舘桜祭りや県連日本祭りへの出店、古希・喜寿・傘寿祝賀会、コチア組合先亡者合同慰霊祭などの定例行事に加え、9月の55周年・花嫁移住51周年記念式典、初の三世訪日研修団も実現した。
 羽鳥慎一会計から昨年度決算報告があり、会費と式典経費残高を中心とする年間収入12万6千レアルに前年度からの繰越金13万レを加えた総収入は25万6千レ、そこから人件費や事務所諸経費などの年間支出6万レを差し引いた19万6千レが今年度に繰り越されたことが報告され、満場の拍手で承認された。
 前田進副会長が11年度の事業計画、羽鳥会計から収支ともに25万2328レ(前年と同規模)の予算案が提示され、承認された。
 役員改選では白旗信さんを会長とする唯一のシャッパ(役員連記名簿)が信任された。白旗新会長は「初めての経験だが、優秀な理事と協力し合ってなんとか1期だけアグエンタしたい」とユーモラスに初心を語った。
 さらに第1回三世訪日研修団(31人)の経過報告が羽鳥団長から行なわれ、念願の東宮御所訪問ができ、「皇太子殿下にご接見頂き、通訳をつけて一人一人に話しかけてもらい一時間近くもご歓談された。一同深い感銘を受けました」という。最後に「三世世代が訪日することの意義は大きい。ぜひ隔年で今後も実施することを認めて欲しい」と提案し、拍手で承認された。
 「その他」の中で、文協会長選挙に出馬している小川彰夫さんから評議員立候補への呼びかけがあり、27日にモジ市イタペチ区の「花の杜」公園で選挙立ち上げ会が行なわれることが明らかにされ、参加希望者は連絡(11・9631・9521)をと呼びかけた。
 閉会の挨拶で杓田美代子副会長は「平均年齢75歳のコチア青年の底力を内外に示せた素晴らしい一年だった」と結んだ。
 続いて花嫁移民記念文集の発刊記念パーティ兼新年会となり、山下治相談役が乾杯の音頭をとって和やかに午後3時過ぎまで歓談が続いた。当日は神戸移民収容所の落書きの著者として知られる佐藤修司さんがミナス州から、コチア産組移民課の元職員・藤田繁さんも出席するなど盛況のうちに幕を閉じた。

コチア青年=『妻と歩んだこの道』=感動の記念文集を刊行

 20日のコチア青年連絡協議会の定期総会の後、創立55周年・花嫁移住51周年を記念した文集『コチア青年・妻と歩んだこの道』の発刊祝賀会が行なわれ、約80人もの投稿者を始め、編集に携わった日毎叢書の前園博子さんや協力者の川守田一省さん、トッパンプレス印刷の奥原啓次社長らに謝辞が捧げられた。
 編集委員長の野村愛國さんは、「投稿者の赤裸々な体験や想いが込められている。じっくり読んでほしい」と熟読を薦めた。210頁中、44頁が写真グラビアと見所も多い。青年以外にも希望者には30レアルで頒布中(同事務局=11・3031・1123)。
 樺島幸子事務局長は「花嫁さんに寄せて」の中で、寄稿の入力を担当させられ最初は嫌がっていたが、「原稿を打って行くにつれ、一人一人の物語にすっかり感動し、時には涙し、もう仕事としてではなく、原稿入力は私にとって楽しみな一時となってきました」(187頁)とし、「決して『可愛い花嫁さん』ではなく、夫と共に異国の地で戦う戦友であり、ブラジルの地に希望を託す同胞だった」との感動を記している。