ニッケイ新聞 2011年3月1日付け
サンパウロ市内12カ所の司法裁判所の内4カ所の建物が、重度の基礎設備不足で市民を困らせていると、2月27日付エスタード紙が報じた。
長い間待たされる人のための椅子やトイレの不足、長い階段や整頓されずに床に放り出されている書類、身体障害者への配慮不足など、これらはサンパウロ市内の裁判所で見かけた問題のほんの一部にすぎない。
12カ所の裁判所を回り調査を行ったエスタード紙記者によると、最も設備が整っていなかったのは、サントアマロ、ペンニャ、イタケーラとラッパの裁判所。
最後の二つは、ジョゼ・セーラ元サンパウロ州知事が07年に37カ所の裁判所に1億4130万レアルを投じ(イタケーラは2100万レアル、ラッパは2500万レアルの投資)行うことを決めた改修工事の対象で、別の場所に移転し、09年からは新しい場所で運営し始めるはずだった。ところが、共同で工事を実施するはずのサンパウロ市が、計画の見直しや土地の開放手続きで手間取り建設が遅れ、移転の目処すらたっていない。
市民の43%が利用し一日4万5千人と市内1の訪問者数を誇るサントアマロの裁判所では、ごみ箱付近で書類が地面に散らばっていることがあるとエスタード紙の記者は話している。
サントアマロ裁判所で何時間も列を作って待つ人たちは、2010年に承認されたサンパウロ市南部への新しい二つの裁判所の早期建設を待ち望んでいるが、建設日程は決まっていないという。