ニッケイ新聞 2011年3月1日付け
ブラジル北海道協会現役会長を務める木下利雄氏が2月26日午前8時半頃、サンパウロ市内のアルボラーダ病院で肺の病気のために亡くなった。行年75歳。昨年11月から悪化して入退院を繰り返し、1カ月ほど前からずっと入院していた。北海道協会会館で通夜が営まれ、27日午前10時に出棺、ビラ・アルピーナ墓地で荼毘に付された。
北海道積丹郡美国町出身。1961年にオランダ船ルイス号で移住、ガルボン街で床屋を経営した後、75年にトマス・ゴンザガ街に日本料理店「木下」を創業、当初は「カレー」で人気を博した。88年にグロリア街に移転し、娘婿の村上強史さんと共に日本料理店としてブラジル料理界の誇る賞を次々に受ける存在になった。94年にはパラナ州都クリチーバ市にも支店を開業し、97年に同地を訪問された天皇皇后両陛下の食事を用意した。
北海道協会副会長、07年から会長を務め、09年に高橋はるみ知事を迎えて行われた会創立70周年、道人移住90周年、物産展を成功に導いた。にしん祭りやラーメン祭り、うな丼祭りなど会の食イベント開催にも尽力した。
初七日ミサは3日午後6時から本門仏立宗日教寺(Rua Ibaragui Nissui, 166)で行われる。四十九日は27日正午から同寺で行われる予定。