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カンピーナス=生か死かで市民が二分=病気のカピヴァラ処分問題
ニッケイ新聞 2011年3月2日付け
サンパウロ州のカンピーナス市で、紅斑熱(マクローザ熱)を媒介するダニ(カラパット)が寄生しているカピヴァラを処分するか否かの論争が起きていると2月28日付サイトなどが報じている。
問題のカピヴァラは同市内の公園に生息している20頭。ここ4年間に公園内でダニに刺咬されて罹患した患者4人の内3人が死亡しており、市役所が国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の許可を得て処分を決めたものの、環境論者や市民から反対の声が上がっているという。
紅斑熱は治療開始が遅れると致死率が80%になる病気で、媒介するダニは食物がなくても1年以上生き延び、1回に1万個の卵を産むという。殺虫剤でダニを殺そうとしても全滅させるのはほとんど不可能だから、カピヴァラを殺して元を断つのが最善という専門家らと、感染してないカピヴァラは生かしておくよう求める環境論者らの論争が続いている。