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気軽にサンバ楽しもう!=本番さながらの教室開催=ベテラン講師陣が一堂に=サンパウロ市

ニッケイ新聞 2011年3月2日付け

 いよいよカーニバルの本番が今週末にせまった。「気軽にサンバで楽しみましょう」とヴァモサンバ教室(葛西ジョエ代表)が主宰した体験イベント「ジャポネスもサンバ」が、2月19日にサンパウロ市の静岡県人会館で行なわれ、駐在員家族を中心に約80人が集まり、ブラジル文化を代表するカーニバルの雰囲気を講演とダンスで堪能した。
 踊りの講師陣には主宰者の葛西さん(リオのスペシャルチームでパッシスタ)、サンパウロ市スペシャルチーム出場6年目のベテラン三由翼さん(インペリオ・ダ・カーザ・ヴェルジで第2メストレ・サーラ)、先のサンバ女王コンクールで4位に入賞した田辺森下佳苗さん(サンパウロ市X9でパッシスタ)、大原紗耶香さん(X9)らが出演し、本番さながらの熱気を会場に伝えた。
 リオのマンゲイラに15年以上出場し、百周年の時に「ジャポネスもサンバ」を開催したブンバ編集長の細川多美子さんはカーニバルの概要と主な打楽器、タンボリン、スルド、アゴゴなどを実際に叩いて見せながら説明した。最初はこわごわ楽器を手にした参加者も、次第に引き込まれるように合奏の輪に入っていった。会場に入って右側にはマンゲイラの衣装がズラリと展示され、雰囲気を盛り上げた。
 本番同様の羽根飾りの付いた衣装を着た女性ダンサー3人による迫力の踊りに、三由さんによる跳ね上がるような軽快なダンスが加わり、会場からは喝采が送られた。
 ポルタ・バンデイラ(旗持ち)の女性と対になって踊るメストレ・サーラ(広間の主人)役でスペシャルチームに出場する三由さんは「旗はチームの象徴。今日は特別に許可を貰って本物を持ってきました」と語り、敬意を込めたキスを旗にするやり方などを説明し、「チームは入れば入るほど深いものがある」との体験をのべた。
 その後、男女に分かれて基本的な動作の練習を1時間以上も行い、気持ちいい汗を流した。サンバのステップを分解して一つ一つ身体に染み込ませ、徐々に組み合わせて複雑にし、最後には大半がしっかりと独特の足捌きを見せていた。
 いかにも楽しそうに軽快なステップを披露していた戦後移民の戸塚マリさん(80、東京出身)は「そんなに難しくないわ。いい運動になる。腰の使い方が独特ですね」と微笑んだ。老ク連で週2回フラメンコ教室を主宰、アルゼンチン・タンゴやクラッシック・バレエまでこなす。
 駐在員子女の桐生有彩さん(14、千葉)は、「ブラジルに来たからこんな体験ができた。とても感謝してます」と横に並んだ母親と顔を見合わせて笑顔を浮かべた。松本タダミさん(71、二世)も「前々からサンバには興味があった。このようなイベントはとてもいい機会ですね」と喜んだ。
 会場には子供の姿も多く見られ、駐在員も移住者も家族連れで一緒に楽しむ姿が見られた。