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水漏れで年74億レ損失=改善には100億レが必要
ニッケイ新聞 2011年3月10日付け
ブラジルでは古い水道管からの水漏れや不正な配管、測定誤差などを防ぐための保守や監査、供給網の刷新への投資が不足しており、年間74億レアルを損失と8日付エスタード紙が報じた。
調査は水とエネルギーの効率的利用を専門とするコンサルタントのアイルトン・ゴメス氏が行ったもの。2008年に4561市で集められた衛生国家情報システムのデータを使って、新たな市の誕生や1日20時間の平均供給、未請求の水道代、不正配管や水道メーター改造などの目に見える損失と実際の損失(漏れ)の推定値を算定している。
ゴメス氏の計算によると、74億レアルの内44億レアルは、管理と投資によって損失を回避できるという。同氏によれば、2015年までにブラジル全土に上下水道を完備するためには、年間100億レアルの投資が必要とされており、損失額は膨大だとの考えを明らかにしている。
一方、損失を低減するプログラムに投資をした衛生会社は、既に品質指標の改善を見ている。
例えば、サンパウロ州水道局(Sabesp)は2006年から現在にかけて、損失率を32%から26%へ6%ポイント落とすことが出来た。目標は2019年までに34億レアルを投資し、損失率を先進国並みの13%まで下げること。
また、連邦政府は、経済活性化計画(PAC)の第2段階で、州や市町村の基本的な衛生サービスでの水の損失削減のため、20億レアルを投ずる予定だ。