電力供給強化建設に遅れ=サンパウロ州大停電とは無関係?=2012年には改善の予定
ニッケイ新聞 2011年3月16日付け
国家電力庁(Aneel)の報告書によると、サンパウロ州では電力生産供給システムの早期補強のための建設工事が37%遅れており、中には完成予定日の5年後にしか終わらない建設もあると15日付フォーリャ紙が報じた。
国家電力庁が2月に提出した報告書によると、49件の緊急建設の内、18件の建設が既に遅れている。遅れの原因には事業開始の許可申請や建設の入札の遅れなどが上げられている。
報告書には、遅れが出ている建設の大部分は、エレトロブラス傘下のFrunasとパウリスタ電力供給企業(CTEEP)担当のものと記述されている。
建設計画段階では2007年に完成するはずだったチジュコ・プレット・イタペチ・ノルデステのプロジェクトは、サンパウロ市周辺のメトロポリタン地域への電力供給強化のために不可欠のものだが、建設許可がなかなか出ず、現在の完成予定日は2012年6月となっている。
Aneelのネルソン・ウブネル会長は、建設の遅れとサンパウロ市で連続して起きた大停電の関係を否定しており、サンパウロ市南部の停電のみ、ピラチニンガ第2配電所建設の遅れが関係していると話した。
ネルソン氏は、ピラチニンガ第2配電所が建設されるまでは、南部地域への電力供給は、バンデイランテス配電所に負担が集中してしまうからと説明。この問題は、今年11月にピラチニンガ第2配電所が完成すれば解決すると述べた。
サンパウロ州政府によると、サンパウロ市周辺の電力供給上、重要とされている建設工事5件の内、予定通り進んでいるのはジャンヂラ配電所の1件のみだという。
建設の遅れにも関わらずネルソン氏は、2012年にはサンパウロ州での停電発生数は減ると話しており、「予期せぬ出来事が起きる場合があるため約束は出来ないが、2011年と同じ状況が続けば2012年はよくなる」と述べている。