ニッケイ新聞 2011年3月17日付け
サンパウロ市では、人の動きが多い地域のレストラン強盗という新しい手口の犯罪が増え、年頭から3月15日までに、レストランやバーを狙った強盗事件が16件も確認されたと16日付フォーリャ紙が報じた。
また、同日付エスタード紙では、レストランでの根こそぎ強盗はここ1カ月で9件も確認されており、3日に1回の割合で事件が起きていると報じている。
最も新しい事件は14日の23時50分ごろ発生。パウリスタ大通りと並行して走るサントス通りのレストラン『ガレトス』に武装した4人が押し込み、食事をしていた顧客15人から現金や宝石、携帯電話11台、銀行カード37枚、時計3個、バック2個、ノートブック1台、小切手2枚を盗んだ。
4人の内2人が先に店に入り、奥まで行くと、手を懐にいれた3人目が店に侵入。従業員を制圧し床に伏させた。最後に4人目が店に入り、獲物をまとめると、3分そこそこで逃げていった。
被害者の一人、クラウジア・ピントさんは、事件の最中、宗教音楽を歌うことをやめなかったため、暴行された。
今回の犯行はこれまでの例とは異なり、レストランからは何も盗まれなかったという。
5分足らずの電光石火の犯行に、被害者の一人は「何もかもが一瞬だった、犯罪者らを認識することもできないと思う」と述べている。
犯罪者らは黒色のヴェクトラに乗って犯行現場から逃走。警察によると、車両は盗まれたもので、犯行の際、犯人らは帽子にTシャツ、ジーパンを着ていた。
中央警察とピニェイロスの警察は情報交換を行っており、西部で連続して起きている強盗グループとの関係を追っている。
レストラン内の監視カメラの映像には、帽子だけを被り、顔を隠していない青年が映っており、警察側は身元を割出そうとしている。