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移民による送金低下=伯経済とレの強が原因

ニッケイ新聞 2011年3月18日付け

 経済状況の改善と不利な為替によって、海外に滞在しているブラジル人から母国への送金が15%も減少したと14日付フォーリャ紙が報じた。
 2010年のラテンアメリカ人の移民からそれぞれの国への送金の流れは安定傾向にあったが、ブラジルは例外で、米州開発銀行の調査では、ドル計算で15%の減少をみた。
 米州開発銀行は、「ラテンアメリカ地域の多くの国々なら、今回のような送金減少は非常事態ともいえる状況かもしれないが、ブラジルは好景気のせいだ」と述べた。
 減少の主な理由として二つあげられる。一つ目は、ブラジルの経済が強くなって、移民(デカセギ)への興味が低下し、送金の必要性がなくなった為。二つ目は、インフレとレアル高で、外国から入るお金による購買力が下がった為。
 15%の減少は、2009年に次ぐもので、同年は2008年比25%もの減少が見られた。
 この結果、2010年にブラジル人移民によるブラジル向けの送金額の合計は、40億4400万ドルとなった。レアルで換算した場合の減少は22%、インフレ調整すれば26%になる。
 ブラジルへの送金はここ数年減っており、国外からの送金額ではラテンアメリカ地域でメキシコに続く2位だったものが、現在は、グアテマラに抜かれ3位となっている。
 また、今回の地震災害でブラジルの家族に日本から送金しているデカセギの人達からの送金も少なくなる可能性があり、ブラジルの経済にも影響が及ぶ恐れがある。

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