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オバマ大統領いよいよ到着=初物同士の大統領会談=対等の立場望む伯外務省=演説会は一般公開取止めに

ニッケイ新聞 2011年3月19日付け

 米国初の黒人大統領とブラジル初の女性大統領の会談実現—。18日付テレビニュースなど、ブラジルメディアが盛んに報じているのは、本日19日〜20日のオバマ米大統領来伯で、17、18日は伯米両国の関係者が警備の最終点検をするなど、準備万端で歴史的瞬間を迎えようとしている。

 就任直後に来伯を希望しつつも諸事情で果たせなかったオバマ大統領に対し、就任前の訪米をと招かれたが実現しなかったジウマ大統領。初物同士の首脳会談は19日朝ブラジリアで、また、雄弁で鳴らすオバマ大統領の公開演説会は20日午後、リオ市で行われる。
 本日8時にブラジリアの空軍基地に到着したオバマ大統領一家は、10時に大統領官邸に赴き、歓迎式と写真撮影。首脳会談は10時25分からで、パトリオッタ外相らも出席の予定だ。
 パトリオッタ外相によれば、世界一の経済大国である米国と、世界7位の経済大国となったブラジルの首脳会談は、対等の立場での話合いが出来る環境にあり、岩塩層下の石油開発や、軍用機に使う燃料も含むバイオ燃料利用に関する話合いの他、国連の安全保障理事会改革、伯米間のビザ問題なども議題に上ると見られている。
 会談後の合同記者会見は11時40分からの予定。会見後は、外務省に向かい、大統領経験者らと会った後、昼食を共にする。
 オバマ大統領は15時30分から全国工業連盟主催の伯米通商会議に出席するが、ジウマ大統領の出欠は未定。オバマ大統領一行は16時50分にはリオに移動する。
 好天が予想されている20日は、9時25分にコルコバードのキリスト像を訪れ、11時10分には映画の舞台にもなったファヴェーラ、シダーデ・デ・デウスを訪問。
 シネランジアで3万人を集めて行われる予定だった演説会は17日に市立劇場に会場変更された。顔と顔を合わせる形の聴衆は2300人のみとなるが、シネランジアには、スピーカーと大画面が設営され、演説の一部始終が放映される。
 オバマ大統領は21日9時10分には次の訪問地チリに向かうが、今回の訪問では、ブラジリアの警備に兵士3500人、リオでも兵士や連警、軍警、市警計800人を動員する。コルコバードでは20日0時から、職員や一般観光客の立ち入りが禁止される。
 オバマ大統領一行は、夫人と娘2人、警備その他の関係者1千人の大所帯で、菜食主義の一家のための特別メニュー準備など、受け入れ側も大童。シダーデ・デ・デウスでは20日朝6時から警備関係者が入り、民家の屋上などにも人を配備する他、映画に出演したファヴェーラ在住の俳優レンアドロ・フィルミノが、地区のサッカー教室を紹介する事になっている。演説会の司会はグローボ局のルシアノ・フッキが務めるという。