ニッケイ新聞 2011年3月25日付け
トヨタ自動車株式会社の豊田章男代表取締役社長によって2週間前に発表された、同事業グループへの新興国の参加拡大は、トヨタ・ド・ブラジルにとって前例のない好機だと、23日付エスタード紙が報じた。
現在まで、トヨタ・ド・ブラジルでは日本本社で作成したモデルをブラジル用に調整することのみを行ってきたが、今回の発表でトヨタ・ド・ブラジルは、現地市場向けの車の開発や製品選択により大きな自治権を持つことが可能になる。
トヨタ・メルコスール担当の中西俊一社長は、現在売上全体の40%を占めている新興成長市場に対する関心は、国際戦略という意味でも高まると話しており、ブラジルは新モデルの導入や新しいプロジェクトを開始するための備えができた候補国だと説明した。
「我々は(豊田社長が発表した)新しいグローバルな視野に基づいた地域戦略をもっている」と中西社長は付け加えた。
サンパウロ州ソロカバで建設中の工場は新たな戦略実現への試みの一つで、最初は、インドで既に生産されているモデル(コンパクト車)をブラジル市場向けに変更したものの生産が考えられている。
トヨタグループでは、新興成長市場での売上を2015年までに全体の50%まで高めることを目標としている。
22日、アチバイアでは新しく改装された2012年型カローラの発表会が行われ、中西社長は「外観が若々しくなった」と述べた。外観ではバンパーやヘッドライト、テールライトが改装された。新型モデルの広告キャンペーンには、俳優のヴァギネル・モウラとセルトン・メロが採用されている。
改装には3300万ドルの投資がされており、内部の改装では、1番安いモデルにも6速マニュアルギアが搭載され、最も高いモデルには、携帯やミュージック・プレイヤーを接続できるブルートゥースなどを搭載している。1・8リットルのエンジンも改良されて馬力が上がり、さらに低燃費となった。
新型カローラは価格も変更され、モデル最上級クラスは、8万9200レアルから8万7500レアルと安くなったが、それ以外のクラスでは値上がりとなった。