ニッケイ新聞 2011年3月25日付け
ブラジル一の生産を誇るマット・グロッソ州の大豆農家が、収穫期まで続く雨で困っていると23日付エスタード紙が報じた。2010/11農年は農家には一喜一憂の年で、ラニーニャによる少雨で泣いた後の〃恵みの雨〃が降り止まず、悪影響が出ているという。
ラニーニャが緩んだ昨年11〜12月は程よい雨で、収量増との予想が出ていたのに、この雨が3月になっても続き、収穫や乾燥作業を妨げ、病気も起き易くなっている。雨の影響は南部も同様で、大豆生産第2位のパラナでも収穫の遅れなどが出ている。
長雨の影響はサトウキビや果物の収穫、牧畜でも出ており、24日付フォーリャ紙は、頻繁に起きる洪水で牧草地が荒れ、牛が流されるなどの被害も出た南マット・グロッソ州パンタナルでは、70%の牛を移動させたと報道。牧草の不足で体重が落ちた牛も多く、移動中に死ぬ牛もいるため、当面はおろか来年以降の牛肉の供給についてまで懸念が広がり始めている。