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東日本大震災=義捐金150万レに迫る勢い=24日全伯で109万レ相当=驚異的な速度で募金進む=非日系人も進んで協力へ

ニッケイ新聞 2011年3月25日付け

 東日本大震災被災者への義捐金が24日の時点で、全伯では少なくとも89万レアル集まっていることがニッケイ新聞の調べで分かった。驚異的な勢いで全伯から、しかも各地で非日系人からも多くが集まっている。ブラジル日本商工会議所の会員企業にはすでに12万ドル相当(約20万レ)の救援物資を日本に送ったところもあり、それも合計すれば109万レ相当(約5320万円)だ。各地での見通しを合計すれば物資・募金は150万レアルに迫る勢いといえそうだ。

 昨日既報の約61万レに加え、ブラジル日本商工会議所では御三家や海外日系人協会、在聖総領事館などの口座に直接振り込むようにとの通知を23日付けで出した。老人クラブ連合会は100万円(約2万レアル)を日本の全国老人クラブ連合会に送った。
 パラナ州70日系団体を統括するリーガ・アリアンサの嶋田巧会長は、24日現在ではまだ2万レアルだが、「10万レアルを目安に呼びかけているが凄い勢いで集まっている。20万近くになるかもしれない」と声を弾ませる。「100ミル、200ミルが大半ですが、中には5千ミルを持ってくる方も。ロンドリーナの日本食レストランの方も〃匿名〃を条件に5千レアル置いていった」という。
 サンパウロ州の聖南西文化体育連盟の山村敏明会長は、「レジストロ、ピラール・ド・スル、タピライ、イタペーバの4団体だけですでに約5万レアルが集まっている。今後、残りの団体から続々と寄せられる」と語った。「レジストロでも地元非日系人がこぞって協力している。お願いしてノンという人はいないぐらいだ」という異例の状態だという。30日までに一旦集計し、サンパウロ市文協口座に集約される予定。
 リオ州日伯文化体育連盟(傘下22団体)に関して鹿田明義理事長は「30日に第1弾を締め切るが、22日現在で1万レアル以上入っていた」という。「とにかくブラジル人の反応が大きい。日系中心に回したはずの募金メールが、いつの間にか一般ブラジル人にも転送され、輪が広がっている」との手応えを感じている。
 首都ブラジリアでは、ブラジル中西部日伯協会連合会(傘下5団体)が募金活動を行っている。秋本満敏元会長によれば、20日の定期総会で選ばれた新役員の下、30日締め切りで大使館を通じて日本赤十字へ送ってもらう予定だという。
 ブラジリア・タグアチンガ日伯文化協会(佐藤登会長)は独自に5万レ、個人有志の分を含めて計8万レアルを、すでに日本大使館を通して被災地に送金した。
 南麻州のカンポ・グランデ日伯文化体育協会(知花ベルナルド会長)では「日系・非日系の個人はもちろん市議会、フリーメイソン、商店など多くから問い合わせを受け、サンパウロ市の文協口座に直接振り込むようにお願いしている。当地だけの集金額は分からないが、相当な額が振り込まれているはずだ」という。
 沖縄県人会では24日午後に定例理事会が行われ、その場で募金額が判明する。与那覇朝昭事務長は「1千レアルとか500とか本部に直接持ってきてくれる人もいる。44支部を合計したら間違いなくかなりの額になりますよ」という。
 この他、日系宗教団体も募金を行っている。生長の家ブラジル伝道本部(村上真理枝理事長)でもすぐに口座開設して寄付を呼びかけ、わずか1週間の24日時点で約10万レ集まった。17日には本部で震災犠牲者の初七日ミサを行い、約800人の信者が祈りを捧げた。月末まで受付け続けるので、さらに金額が増える見通しだ。
 ブラジル岡田茂吉財団(ロジェリオ・ヘチマネッキ会長)の渉外委員会の大野正人さん(まさひと)は「年始のリオ大水害にも33トンの救援物資を送った。教団からは1万5千人が日本に勉強にいった。そんなブラジル人信者から続々と協力したいとの声が沸き上がり、財団が集めている。数万レどころではないでしょう」と語った。