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救済会総会=改修費増、会員減など課題=理事、顧問率先して震災支援を

ニッケイ新聞 2011年3月25日付け

 老人福祉施設「憩の園」を運営する社会福祉法人救済会の定期総会が19日午前、文協ビル内のエスペランサ婦人会サロンで開かれ、約30人が出席した。
 冒頭に昨年死去した本永郡起、高岡健太郎両顧問を偲び1分間の黙祷。続いて事業・会計報告と事業計画・予算案の発表を行った。
 昨年は収入約327万レアル、支出約298万レで約29万レを繰越し。小川英輔会計は「当初は収支ゼロを予測していたが多くの協力を得て繰り越すことができた」と感謝を表した。
 今年は352万5千レの予算を計上し、承認。現在106人の職員がおり、人件費が運営費の3分の2近くを占める。
 同園には昨年末の時点で男性34人、女性53人が在園。417人の新規入園希望があり、18人が入園した。医療・介護ほか、理学療法、作業療法、高齢者介護技術研究会などを行い、地域社会向けに老人介護者家族とボランティア対象の講座なども実施する。
 地域住民を招いて初めて6月祭を開き、8月の第36回バザーも盛況だった。1年を通じて約50の団体が同園を訪問している。
 今年は施設や地域社会での福祉や介護講習など従来の事業に加え、救済会の歴史編纂などを進めるとしている。その他、昨年に続き協力会員の増加運動を展開する考えだ。8000人以上の会員がいた1990年には会員100人につき在園者1人の割合だったが、現在の会員は897人。約10分の1まで減少している。
 発表した相田祐弘副会長によれば、市衛生局や消防署から同園内施設の改修を求められており、台所改修や消火栓、煙感知器の設置などが必要になるという。「費用はかかるが仕方がない」と相田副会長は話し、プロジェクトの作成を進める考えを示した。
 定例事項に続き、大浦文雄顧問が東日本大震災の支援活動について発言した。同会では既に義捐金の募集を決めているが、大浦顧問は「具体的に動かないと本当の成果は上がらない」と述べ、まず中核的な存在である理事会・顧問会メンバーが奉加帳を回し、その後一般に呼びかけることを提案した。
 終了後は来賓の木多喜八郎文協会長、本橋幹久県連副会長、中川浩巳老ク連理事がそれぞれあいさつした。
 最後にあいさつした吉岡黎明会長は、「憩の園で蓄積した50年の経験、ノウハウを自分たちだけでなく他の団体、ブラジル社会に広めていくことが必要」と将来に向けた展望を発表。日本の震災については義捐金活動のほか、憩の園在園者からメッセージを送る発案があることなどを報告し、今後も支援活動に取組む考えを示した。
 総会後はエスペランサ婦人会の協力による昼食を食べながら懇談した。