ニッケイ新聞 2011年3月25日付け
こんなに口座があったら、どこに振り込めばいいか分からない—。東日本巨大地震の義捐金について取材先の日系団体関係者が話していた。確かに多いと思う。が、大半のお金の送り先は日本赤十字で、そのほかは被災した各県などになる見通しだ。口座設置から10日以上が過ぎ、集まる金額はますます多くなって行く。管理の手間も増えるだろう。募金する側の心情も分かるが、少なくともサンパウロ州、または市レベルで、たとえば連名で受付団体の口座を統一して交代制で担当者を置くといった継続的な体制作りが必要になってくるのではないだろうか。たとえちょっとしたミスや誤解でも、全体の評価は下がり得る。各受付団体の責任は大きい。もう一つ心配な点は、これから先、県人会や日系団体を騙る人間が出てくる可能性もあるのではないかということ。各団体にはその辺りの対策もお願いしたいところだ。
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救済会の定期総会で吉岡会長から、憩の園の在園者が日本に応援のメッセージを送りたいと考えていることが紹介された。在園者が横断幕とともに撮った写真を、日本の「憩の園在日協力会」(会員数130人)へ託すというものだ。テレビで日本の報道を見ながら、歯がゆい思いをしているのだろう。横断幕の言葉などはこれから決めるそうだ。皆さんの気持ちが日本へ届いてほしい。