ニッケイ新聞 2011年3月26日付け
サンパウロ州のエタノール(アルコール)の価格が今年に入ってから19%上昇しており、3月の配送元の売上も1、2月比で40%減少と24日付伯字紙が報じた。
国家原油庁(ANP)の報告によれば、2010年12月にはリットルあたり平均1・671レアルだったサンパウロ州でのエタノール価格は、今月18日までの1週間平均で、1・99レアルまで上がっている。
また、同じく18日までの1週間でのエタノールの売上は、1月と2月の週間平均と比べると配送元で40%低下しており、ガソリンスタンドでの燃料選択にもその影響が出ている。
サンパウロ州ガソリンスタンド組合(Sincopetro)のジョゼ・アルベルト・ゴウヴェイア会長によると、先週は、エタノールの利用者の36〜40%がガソリンを使うようになったと述べている。
全国的に見てもエタノール平均価格は14・5%上昇しており、フレックス車の場合、マット・グロッソ以外の州ではエタノールよりもガソリンの方が経済的。
どちらの燃料を使うべきかを知るのは簡単で、エタノールの価格をガソリンの価格で割った時の値が0・70より大きい場合は、ガソリンを選んだ方が得となる。
エタノールの価格は、新しく収穫されたサトウキビの加工が始まる4月後半から下がり始めると見られているが、現場関係者を戸惑わせているのは、今年は、消費者のエタノールからガソリンへの切り替えが遅いこと。
サトウキビの収穫端境期にエタノールの価格が上がるのは例年のことだが、フレックス車利用者がガソリン利用に切り替えることで在庫の調整ができていたものが、今年は消費者の切り替えが遅く、1カ月分用意してあった在庫が20日分に減少しているという。
過去5年間のエタノール消費は13%拡大しており、サトウキビとエタノールの生産量拡大(10・5%と12%)を上回っている。また、何年も利用しているサトウキビ畑の生産性低下と、2009年同様に長雨でサトウキビの糖度が下がっていることも、需要と供給のバランスが崩れる原因となっている。