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東日本大震災支援キャンペーン=がんばろう!=ニッポン〜日系社会は応援する=サンパウロ市 榎原良一

ニッケイ新聞 2011年3月26日付け

 今回の東日本大震災に付きましては、被災地宮城県、岩手県、福島県の皆様を始めとする日本国民の皆様、母県が被災地となりましたこれらブラジル県人会の皆様、そして、日本各地で就労されているブラジル日系人の皆様には、心からお見舞い申し上げます。又、今回大震災で亡くなられました犠牲者の皆様のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 さて、今回の大震災は、5百年いや1千年に一度の大震災とも言われている程の不幸極まりない大自然災害になってしまいました。そして、今後の復興に当たりましても、日本政府及び日本国民の皆様の一致団結しての努力が必要になってまいります。
 私は、私の大好きな祖国日本に対しまして、以下エールを送らせて頂きたいと思います。
 私は、今回の大震災は、長期間経済不況から脱却出来ず、外交面でも失態を続けている、そして、社会全体に閉塞感が漂う日本がよみがえる絶好のチャンスと考えています。「災い転じて福となす」という諺があります。確かに、今回大震災は、予想犠牲者が2万人を超える程の不幸な出来事になってしまいました。しかし、何時までもこの大震災を嘆き悲しんでいる訳にはいきません。復興と言う使命が与えられています。神様は、乗り越えられない試練は我々には与えません。日本の国民の皆様が強固な信念で復興を願い、其れに向けて努力すれば、必ず復興を成し遂げるものと確信しております。
 これからは、世界中が日本の復興過程の一挙一頭足に注目して行きます。昨今の外交の失態を回復させる絶好のチャンスであります。日本が驚異的なスピードと高度な質の復興を成し遂げることは、結果的に日本が強固な外交力を身にまとうことになります。この日本人の能力こそが、外国人が羨ましがってならない日本の品格風格なのです。そして、この品格風格こそが、昨今日本を舐めまくっている隣国への抑止力にもなります。(本当は、舐められる側に責任があるのですが)
 復興の戦術としては、「資金は海外から、労力は国内から」を勧めたいと思います。
 海外にそれ相当の資産を有する日本ですが、年間歳入の約2倍の国内債務を抱えている日本は、不必要なプライドは捨てて、堂々と世界の公的金融機関に復興資金を求めるべきだと思います。過去の日本の海外への資金援助等を始めとする貢献度を考慮すれば、当然受け入れられるべき要求です。
 そして、復興労力については、日本の若者の復興参加を大いに期待しています。どちらかと言うと日本に失望していたり、自分達自身に今一つ自信が持てなくなっている若者が、日本の素晴しさや精神文化の高さを認識する、そして、自分達自身に自信を持つ為の絶好の機会でもあります。日本が復興を遂げた暁に、若者達が「自分達も復興に一役買った」との意識を持つことは、将来の日本の大きな国力になる筈です。
 今回大震災発生後、私はブラジル北部に約1週間滞在していました。現地では、仕事関係者や日々の生活の中で現地の方々から、今回大震災のお見舞いの言葉をかけられました。そして、彼らに対しては、「日本は必ず復興する。第2次世界大戦後の復興を考えれば、容易いことだ」と断言し続けました。この動作振る舞いが、日本復興に当っての海外に住む私達日本人の役目だと思っています。そして、今後、ブラジルから日本の復興過程を拝見して行きたいと思います。
 是非、日本の国民皆様のご努力の下、今回大震災からの一刻も早い復興を心からお祈り申し上げます。