ニッケイ新聞 2011年3月30日付け
ルーラ前政権で副大統領を務めたジョゼ・アレンカール氏が、29日午後2時41分、入院先のサンパウロ市シリオ・リバネス病院で息を引き取った。79歳だった。
1997年から腹部がんを患い、闘病しつつ副大統領職を務めた重鎮で、その笑顔が多くの国民からも愛されたアレンカール氏は、17回の手術などで入退院を繰返してきたが、27日に強い腹痛を訴え、28日にシリオ・リバネス病院の集中治療室に入院、加療中だった。
1931年10月17日、ミナス州ムリアエで15人兄弟の11番目として生まれ、生地産業大手のコテミナスを起こした実業家でもあった同氏は、旅行する事が多かったルーラ前大統領の下で398日間大統領職代行を務めるなど、幅広く活躍。任期終了、政権移譲時も入院中で、車椅子で良いからジウマ氏の大統領就任式に出席したいと願ったが叶わなかった。
訃報に接した政界関係者からは、同氏の氏を惜しむメッセージが数多く寄せられている。