ニッケイ新聞 2011年3月31日付け
ルーラ前大統領への名誉博士号授与式出席のため、ポルトガルを公式訪問したジウマ大統領が29日、「ポルトガル支援のためにブラジルが出来る事があるなら全面的に協力する」と発言したと30日付伯字紙が報じた。
ブラジルにとって、元宗主国であるポルトガルは、4月15日に返済すべきとされた諸外国への負債は元金70億ドル。返済のために金を借りる場合の利息は8%との条件も突きつけられ、深刻な経済危機の真っ只中だ。
しかも、危機脱出のためにと国会に諮った打開策を否決されたジョゼ・ソクラテス首相がこれ以上耐えられないと辞表を提出するなど、内政上の危機にも直面している。
こんな時に同国を訪問したのがルーラ前大統領とジウマ大統領で、ルーラ前大統領は、ジウマ大統領の同国到着前に、ブラジルが支援出来るはずと発言したという。
支援の方法には国債買取などが考えられるが、ジウマ大統領は、ソクラテス首相やアニーバル・カヴァコ・シルヴァ大統領との会談をキャンセルして急遽帰国となったため、具体的な話は出来なかったようだ。