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スポーツが育む日伯交流=第55回パウリスタ・スポーツ賞=18氏の貢献称える=今年はパラナから4人

ニッケイ新聞 2011年3月31日付け

 本社が主催する第55回パウリスタ・スポーツ賞贈呈式が29日午後7時半から、サンパウロ市のSESCビラ・マリアーナで開催された。長年ブラジルスポーツ界発展への貢献者を称えてきた同賞。今回は16部門と特別賞2氏の計18氏が受賞した。当日は家族や友人、各スポーツ団体関係者など300人以上が訪れ、受賞者を祝福した。

 成田強領事ほか、羽藤ジョージ州議ら日系政治家、日系団体代表、カルロポリス市のロベルト・コエーリョ市長など多数の来賓、各推薦団体の会長など多くの関係者が訪れた。
 冒頭、先日死去したジョゼ・アレンカール前副大統領、野村義人・日系ゴルフ協会名誉会長、東日本大震災の犠牲者に1分間の黙祷を捧げた。
 主催の高木ラウル・本紙社長は、55回の歴史を振り返り、日本移民が持ち込んだスポーツをブラジルで実践し、広めることで日伯交流に貢献してきたと述べた。日本の震災にも触れ、復興への応援の気持ちを表した。
 続いて各部門の受賞者が舞台に上がり、来賓から記念プレートを贈呈。一人一人に大きな拍手が贈られた。
 相撲部門の本村巌夫さん(82)は、「受賞は先輩、皆さんのおかげと感じている」と謝辞。水泳部門の橋本ユタカ・フランシスコさん(70)は、「水泳を通じて日系社会とブラジル社会の融合に貢献できた」と喜びを表した。
 来賓の山下譲二文協副会長は、日本移民が普及したスポーツは同時に規律や倫理といった日本文化もブラジル社会に伝えたとし、「受賞者は日系社会だけでなくブラジル社会の誇り」と称えた。
 パラナ日伯文化連合会の嶋田巧会長は、今回同州から4人の受賞者が出たことを「パラナ住民の名誉であり誇り」と喜び、「こうして日系子弟が世界にはばたくとともに、スポーツを通じて日本語、日本文化を大切にしてほしい」と言葉を送った。着任したばかりの成田領事も、日本人が持ち込んだスポーツが普及した現在を、「日伯友好親善の成果を見るよう」と述べた。
 贈呈式後は受賞者、家族らによる記念撮影。続いて食事をとりながら懇談した。
 各部門受賞者は次の通り。(カッコ内は表彰部門。順不同、敬称略)=渡部豊(パークゴルフ)、本村巌夫(相撲)、本藤幸枝(ゲートボール)、橋本ユタカ・フランシスコ(水泳)、石原クニオ(ゴルフ)、森谷悟郎ジュアン(テニス)、橋詰明夫(マレット・ゴルフ)、沢里オリビオ(野球)、城間盛浩(柔道)、竹内憲一(剣道)、シロト・ユキシゲ・リカルド(空手)、沼間豊治(古武道)、熊谷ジロウ・ウィリアン(卓球)、和知永一男ジルソン(射撃)、西村ミエコ・ダニエラ(陸上)、ラケリ・ハルミ・ビアンコ(ソフトボール)。特別賞=オレガリオ・マッシャード・ネット(SESCビラ・マリアーナ支所長)、沖野伊名木氏(マレット・ゴルフの定着に尽力)