ニッケイ新聞 2011年4月1日付け
3月30日付エスタード紙によると、サンパウロ市周辺の38市で消防署がない市が21もあるという。国内最大のサンパウロ市都市圏でも55%の町に消防署がなく、人口8万以上で消防署不在の市も11という現状に、事故や急病などの緊急時や火災時の対応への懸念が広がる。
人口が多いのに消防署がないのは、36万9千人のカラピクイバ、24万4千人のタボン・ダ・セーラ、24万人のエンブなど。
一方、カラピクイバから派遣要請が入るオザスコ市は人口135万で消防車4台。消防士は3万3750人に1人しかいない。タボン・ダ・セーラに派遣するイタペセリカ・ダ・セーラ市は人口73万9千人で消防車4台だが、支援域にはエンブ・グアス、ジュキチーバ、サンロウレンソ・ダ・セーラもあり、消防士は1万8475人に1人。サンパウロ州全体の平均は4199人に1人だが、サンパウロ市周辺では1万人以上に1人の市が5つある。
消防署設置は、当該市が土地と建物、車両を用意し、軍警が人と制服を用意するのが原則で、人口8万以上の町で消防署不在の理由は、財政困難5、開設待ち2、軍警が拒否2、関心なし1、無回答1。人口8万以上なのに救急車両SAMUさえない町も5市あった。