サンパウロ州政府が広域開発計画=地域毎に問題解決図る=10局長らが共同で作業=30年前の公社も復活か
ニッケイ新聞 2011年4月2日付け
サンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事が3月30日、州内経済域なども考慮した広域開発計画を発表と31日付フォーリャ紙などが報じた。10局長が参加する組織を立ち上げ、地域毎や地域間の問題解決を図ろうとするもので、水源確保など、市町村単位では解決不能な問題にも積極的に関わる姿勢を見せている。
国内最大の経済域でもある大サンパウロ市圏やカンピーナス都市圏など、複数の市町村や地域が互いに協力して水源確保や下水整備、公共交通などの広域計画を立て上げるという案そのものは、決して新しいものではない。
1日付エスタード紙によれば、アウキミン知事が世界でも複数の国で成功例があるとした広域開発計画は、サンパウロ州でも1975〜79年のパウロ・エジディオ・マルチンス政権の時に立てられたという。ところが、同政権時に創設されたサンパウロ州都市圏開発公社(Emplasa)は、その後消滅。地域計画を担当する部署などが十分機能しないまま時が過ぎ、改めて、地域開発の重要さに気付いたのが今回の計画立ち上げだという。
30日の発表内容は余り具体的とはいえず、地域毎の開発計画は今後の検討課題のようだが、それでも、10局長らからなる組織立ち上げと、Emplasaの復活が発表された他、サンパウロ市中心のサンパウロ都市圏と、カンピーナス都市圏などの地域分けと、前記2都市圏と海岸部(バイシャーダ・サンチスタ)を一括した153市、人口2980万人、国内総生産の27%を占めるサンパウロ州広域都市圏(マクロメトロポリ)が取り組む課題なども提示したという。
地域開発の必要例の一つはチエテ川で、サンパウロ市内の川の水質汚染や水深低下などの問題は、上流での下水整備とも関係。下流の町の水面に洗剤などに起因する泡沫が飛ぶに至っては、サンパウロ市自身も責任を免れない立場だ。
また、大サンパウロ市圏の水がめの一つであるグアラピランガは、ABC地区各市との関係も密接。昨年の伯字紙には、海岸都市の洪水は大サンパウロ市圏の旅行者や洪水と関係ありとの記事も掲載された。
他州にも依存している水の確保は解決が急がれる問題の筆頭。優先課題には、大サンパウロ市圏共通のビリェッテ導入、サンパウロ市外への地下鉄延長、グアルーリョス高速鉄道や海岸部の軽量鉄道設置、広域下水道計画更新などが挙げられている。サンパウロ市には場所がなく市外に運び出されているごみ処理問題も検討が急がれている。
市町村単独では解決できず、共同での取り組みが求められる案件は時間がかかるものも数多く、中長期の見通しが必要。その意味で、2014年の知事選後も考えているはずのアウキミン知事からは、2012年のサンパウロ市長選候補はジョゼ・セーラ氏が最適など、カサビサンパウロ市長が立ち上げた新党の動きをけん制するかの発言も出ているようだ。