ニッケイ新聞 2011年4月2日付け
スコットランドサッカー協会は3月31日、ブラジル代表FWのネイマールが27日に行われた対スコットランド戦の親善試合で人種差別的な行為にあったとコメントしたことについて、本人からの謝罪を要求していると同日付エスタード紙サイトが報じた。
ブラジルに勝利をもたらした2点を決めたネイマールは、2点目を決めた後にフィールドにバナナを投げ込んだ観客が居たことに関し、試合後の28日に、「人種差別は本当に悲しいこと。自分の国からわざわざ来ているのに残念だ。私はむしろこの事について話さないほうが良いと思う」と発言した。
問題の行為は当初、試合会場のエミレーツスタジアムで観戦していたスコットランド人によるものと見られていたが、スタジアム所有者のクラブチーム・アーセナル取締役会は、行為はドイツ人観光者によるもので、本人にはネイマールを怒らせる意図はなかったと報告し、人種差別発言を否定した。
クラブ側の説明と警察への通報がなかったことなどから、スコットランドの協会は、競技者またはブラジルサッカー連盟(CBF)に対し正式な謝罪を要求した。
同協会主任幹部のスチュワート・リーガン氏は、「我々は、スコットランド人が人種差別をしたとのニュースが世界中に流れたことに愕然としている」と述べ、「わが国のサッカーファンは非常に悲しんでいる。気さくでその態度にも定評があるわが国の観客の評価を落とすような根拠のない疑惑に悩まされた。問題は解決したが、国民の名誉を守らなければと思う」と説明した。