ニッケイ新聞 2011年4月2日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会の定期総会が3月31日午後5時から栃木県人会館で開かれ、35県人会の代表が出席した。与儀昭雄氏が県連会長が任期を1年残して沖縄県人会長を退任したことを受け、執行部で新会長を選任。園田昭憲副会長(鹿児島県人会会長、63)が新会長に就任し、残りの任期を務めることが発表された。
総会に先立って午後4時から代表者会議を開催。冒頭、東日本大震災の犠牲者に1分間の黙祷を捧げた。
連絡事項で与儀会長は、集まった義捐金の報告のほか、4月11日にサーラ・サンパウロで慈善コンサート、17、25日に慈善夕食会が予定されていることを案内。「5団体で、できるだけ多くの支援を日本に送ろうという気持ちでやっている」と話し、各県人会に協力を呼びかけた。
今年の第14回フェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)について説明した園田副会長は、日本の地震・津波被害を受けて自粛すべきとの意見もあったが、役員会で話し合った結果、開催を決めたと報告。「被災者の皆さんは悲しく、苦しい立場にあるが、県連、県人会が皆さんに前より楽しく元気になってほしいという気持ちで開催します」と話した。今年は規模を縮小して震災に関するサブタイトルなどを入れ、利益の一部を義捐金として寄付するという。
中沢宏一宮城県人会長も発言し、義捐金への感謝とともに、フェスチバル会場に震災についてのコーナーを設けたいとの意向を示し、「皆さんを励ます企画を考えたい」と述べた。
続いて定期総会を開催。冒頭あいさつした与儀会長は、初めての二世会長として日本語に苦労したこと、移民百周年など3年の任期を振り返り、役員、会員らの協力に感謝した。会長はフェスチバルがサンパウロ市の行事に成長したことを喜び、また今年1月に新事務所購入が決まったことに触れ、「県連は新しい段階を迎えた」と述べた。
坂和三郎・東京都友会会長が議長を務め、議事を進行。昨年度収支は収入約200万レ、支出約158万5千レで約41万7千レを繰り越し。今年度の一般会計は新事務所購入・改修等の費用をあわせ87万8700レを計上。フェスチバルの予算は169万レで、約13万レの利益を見込んでいる。いずれも拍手で承認された。
補充監事の互選を行った後、最後に新会長として園田副会長が紹介された。
県連の定款では会長の途中退任の際、最年長の副会長が会長に就任すると定められている。当初は本橋幹久副会長の就任が決まっていたが、健康上の理由で医師から就任を止められたため、直前になって辞退。執行部では28日に緊急役員会を開いて協議したものの、本橋氏より年下の3副会長がいずれも就任を固辞していた。
年齢順でその次となる園田氏も自身の仕事などがあるが、震災や原発の問題など日本の大事な時期に県連の活動を停滞させてはいけないと就任を決めたという。事情を説明した本橋氏に続いて挨拶に立った園田氏は、「1年前から県人会をやめるつもりだった」とそれまでの心情を吐露しながらも、「我を捨てて義を取った」と決意を表明。「先輩が残した大事なものを受継ぎ、役員、会員の皆さんと可もなく不可もなくやっていきたい」と述べ、さらに、「(1年の任期で)時間は限られているが、県連の一番大事な行事であるフェスチバル・ド・ジャポンを継続してやっていきたい」と抱負を語った。
終了後は役員一同で記念撮影。続いて懇親夕食会が開かれ、親睦を深めた。