ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | エールフランス=09年事故機の残骸発見か=第4次捜索で手ごたえ=遺体収容の可能性も示唆=原因解明への期待高まる

エールフランス=09年事故機の残骸発見か=第4次捜索で手ごたえ=遺体収容の可能性も示唆=原因解明への期待高まる

ニッケイ新聞 2011年4月5日付け

 フランスの航空機事故調査機関(BEA)が3日、2009年5月31日に消息を絶ったエールフランス機447便のものと見られる残骸を発見したと発表した。4日付伯字紙などによると、大西洋の海底では、残骸と共に遺体の存在も確認されており、遺族の間には原因解明や遺族埋葬への期待が再び広がっている。

 2009年5月31日にリオ市トン・ジョビン空港を発ち、フランスはパリに向かったエールフランス機447便が同日夜に消息を絶って以来、約2年。乗客、乗員228人が死亡した大惨事でありながら、事故後の捜索では、50人の遺体、3%程度の残骸しか回収されていなかった。
 この2年足らずの間には、3度の捜索が繰返されたが、3度ともこれという収穫はなく、今回が最後かもといわれた第4次捜索で残骸発見というニュースは、ブラック・ボックス回収とそれに伴う原因解明、更なる遺体の回収への期待を繋ぐものだ。
 捜索は447便が交信を絶ったとされる地点から半径75キロ、1万平方キロの海域で行われ、水深3800メートルの深海でタービンや胴体部分などが見つかった。
 捜索には、タイタニック号の残骸回収にも力を発揮した、腕付き潜水艇Remus3隻を投入。第4次捜索は3月25日から始まっていた。
 4日現在の発表では、事故機の高度や速度などを記録したブラック・ボックスや操縦士らの会話を記録したボイス・レコーダーは発見されていないが、海底の残骸は比較的まとまった状態で発見され、量も多いため、飛行記録装置発見の可能性も高いという。
 4日付の各紙サイトによれば、同日朝、フランス運輸省は、機体の一部はほとんど無傷で見つかっており、胴体部分には遺体がある事も確認されたと発表。遺体の回収や身元確認作業の開始には約1カ月を要すようだが、228人中50人分の遺体しか回収できず、埋葬もかなわなかった遺族には、希望と慰めをもたらす知らせだ。
 09年の調査では、機体はほとんど損傷してない状態で水面に着地したと判断され、酸素マスクも降りてないため、機内の気圧減少は起きなかったと見られていた。
 機体の速度などを計測する機器の不具合などが疑われたものの、詳細が解明できないままだったエールフランス機最大の事故の原因解明や遺体回収には、今しばらく時間が必要だが、今回の発見は、エールフランス社やエアバス側、遺族側双方に、新たな希望の光をもたらしたといえそうだ。