ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
ドル一時1・60レ割る=金融取引税引上げ直後に
ニッケイ新聞 2011年4月8日付け
4日に発表された信用格付引上げに伴うドル流入で、ドル安、レアル高が進む事を懸念したマンテガ財相が6日に金融取引税の引上げを発表したが、7日の為替市場は期待に反した動きとなり、ドルは一時1・592レアルまで下落した。
6日に引上げが発表された金融取引税は、国外での貸付などを対象としたもので、返済期間2年未満の国外取引に対する課税率を7日から6%にするとの発表は効を奏さなかったといえる。
1ドルが1・60レアルを割ったのは、2008年半ば以来の事で、第1四半期のドル流入額は流出額を355億9千万ドルも上回り、外貨準備高は膨らむ一方だ。
先週発表された金融取引税引上げの対象は90日以内のものだったが、この時もドル安には歯止めがかからなかった事を考え、市場では金融取引税操作の有効性を疑う声も上がり始めている。
7日付エスタード紙によれば、信用格付引上げと、他国と比べると格段に高い政策金利(Selic)などを誘引とする国外投資削減とドル安回避策については、政府内でも意見が二分してきているという。