ニッケイ新聞 2011年4月9日付け
国家陸上交通監督庁(ANTT)が7日、4月11日に延期されていたブラジル初の高速鉄道計画(TAV)の応札を7月11日に再延期すると発表したと8日付エスタード紙などが報じた。
応札者は7月29日に発表されるが、2014年開催のサッカー・ワールドカップ(W杯)や2016年のリオデジャネイロの夏季オリンピックまでの建設は不可能と見られている。
当初は昨年11月末の予定だった応札は、日本や欧州勢が見送りを決めたりしたため今年4月に延期されていた。
最初の延期は、建設の実行可能性の調査不足などが原因だったが、今回の延期の原因は、調査の遅れで投資家と技術者との交渉期間が短くなったためと、ANTTのベルナルド・フィゲイレド事務局長は説明している。
フィゲイレド事務局長によると、技術の国有化や免税面の微調整はあっても、入札規定の変更は考えられておらず、政府はこれ以上の援助拡大はしないという。
TAVは、リオデジャネイロ市とサンパウロ市、カンピーナス市間の約510キロメートルを結び、建設費は約331億レアル。落札事業体は40年間の事業運営を受け持つ事となる。