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ジウマ大統領が中国訪問=20件の合意書交換か=就任100日超え益々盛ん=第3回BRICS会議も

ニッケイ新聞 2011年4月12日付け

 就任100日を迎えた10日(日)、ジウマ大統領が国際外交3件目の懸案である中国訪問に出発した。10〜11日付伯字紙や同サイトによれば、本日12日は胡錦濤国家主席と会談、14日は第3回BRICS首脳会議出席など、スケジュール満載の中国訪問中は、互恵主義に基づいた合意書約20件の交換などが期待されている。

 1月31日のアルゼンチン訪問、3月19、20日のオバマ大統領受け入れといった外交行事を積極的にこなしてきたジウマ大統領が、国際外交第3弾としての中国訪問に出発したのは就任後100日目に当たる10日の事だ。
 ルーラ前政権の路線を踏襲しつつもジウマ色を出し始めたこの時期の訪中の主要目的は貿易の多角化で、鉄鉱石や大豆、石油に特化される輸出品目を拡大し、技術開発などでも協力関係を築くなど、胡錦濤国家主席との会談時に取り交わされる合意書は、約20件と予想されている。
 訪中直前のジウマ大統領が案じていたのは、ブラジルにとって最大の貿易相手国であり、年間290億ドルもの投資が発表されていながら、その実態は、鉱業、エネルギー、農業関係に90%が集中している事。ハイテク産業も含む広範囲の貿易や技術提携、共同研究・開発などの具体的な項目の他、ブラジル企業の中国進出をより容易にするための諸条件についても検討を求める予定だ。
 事前に明らかにされた合意事項としては、エンブラエル社製航空機発注やサンパウロ州オルトランジアへのZTE社進出関係の2億ドルの契約締結などが報じられており、エンブラエル社の中国工場閉鎖は、当面見送りとなりそうだ。
 また、技術提携や共同研究などでの合意は、ブラジルが中国と長期的な関係を築きたいと望んでいる証拠。国際的な為替のひずみなども含めた長短期の調整事項はあるが、互恵主義に基づいた2カ国間の関係を強化し、両国が共に発展するため、互いに批判しあうようなやり取りは避ける方針。13日には温家宝首相や呉邦国全国人民代表大会常務委員会委員長とも会談の予定だ。
 14日のBRICS首脳会議は、南アフリカも正式に参加しての初会合で、ドーハラウンドやアラブ社会の混乱などについても話し合われる。
 また、15日には、海南省で開催されるボアオ・アジアフォーラム2011年年次総会にも出席。同会議には、ロシアのメドベージェフ大統領や南アフリカのジェイコブ・ズマ大統領、韓国の金滉植首相、スペインのサパテロ首相、ウクライナのミコラ・アザーロフ首相なども出席する予定で、16日の帰国まで、わずか6日間の中国滞在中には積極的な首脳外交も繰り広げられそうだ。