ニッケイ新聞 2011年4月12日付け
【リマ共同】ペルー大統領選は10日夕(日本時間11日朝)投票が締め切られ、地元調査会社による開票集計によると、当選に必要な過半数票を確保する候補はおらず、唯一の左派オジャンタ・ウマラ氏(48)と、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(35)の決選投票進出が確実な情勢だと地元メディアは伝えている。
ケイコ氏は、父親の強権的な政治手法に反発する勢力がいまだに多いという課題を抱えるが、ウマラ氏当選による左傾化を嫌う市民の票を集めて決選で逆転勝利する可能性がある。父娘2代の日系大統領誕生が現実味を帯びてきた。
各開票所での開票集計サンプル調査(地域カバー率100%)によると、ウマラ氏の得票率は31・2%。ケイコ氏は23・3%で、3番手のクチンスキ元首相(72)が19・4%。
選挙管理当局の発表(開票率43%)ではクチンスキ氏が2番手だが、同氏の支持者が多い首都リマや周辺から集計するため、地方で強いケイコ氏が今後得票を伸ばすとみられる。
ガルシア大統領の任期満了に伴う大統領選で、有権者は約2千万人。即日開票だが、確定には時間がかかる見通し。上位2人による決選投票は6月5日の予定。
選挙戦終盤までトレド前大統領が世論調査でトップだったが麻薬使用疑惑などで後退し、同じ先住民系のウマラ氏に票が流れた。ケイコ氏は父親が支援に力を入れた貧困層の支持を固め、安定した戦いを展開した。