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銃放棄キャンペーンを前倒し=リオでの乱射事件受け=国民投票の声も出始める=米国からも支援メッセージ

ニッケイ新聞 2011年4月13日付け

 【既報関連】リオ市西部レアレンゴの公立校で7日朝起きた銃乱射事件を受け、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法務相が11日、6月に予定していた銃放棄キャンペーンを5月6日から開始すると発表した。国会では、銃所持の是非を問う国民投票実施の声も出始めている。

 銃放棄キャンペーンの前倒しは11日付サイトや12日付伯字紙が報じたもので、今回は、銃器と共に銃弾の回収も考慮するようだ。今回の乱射事件やキャンペーンを契機に、武器所持の見直しや治安対策の強化・徹底が望まれている。
 キャンペーンの前倒しは市民団体の協力も得て決められたもので、7日の事件からほぼ1カ月後の5月6日から年内一杯行われる。
 9日付エスタード紙によれば、十代の生徒12人死亡という数字は、リオ市の同年代の年間被害者数に匹敵。わずか15分で66発を乱射した行為も、武器管理や販売規制が徹底していれば防ぎえたとの声は、事件直後からも聞かれていた。
 キャンペーンを支援する市民団体は、VivaRioやソウ・ダ・パス、デスアルマ(武器放棄)・ブラジルなど。
 リオ市コパカバーナでは10日、銃の不法販売などに反対し、被害者の名前を書いた紙を手にした人々が、赤いシミをつけた国旗を飾って座り込むなど、武器放棄への国民の声は高まりをみせている。この動きには政界も反応し、上院議長らが12日に国民投票実施などについて話し合う。
 過去のキャンペーンでは、不法所持も含む銃1丁につき100〜200レアルが支払われ、10年までに50万丁を回収。今回のキャンペーンで銃弾も回収の対象とするか、買取額その他の詳細は、来週早々、政府と市民団体代表者からなる委員会で検討される。
 銃の所持は本来、軍人や警官などの治安維持関係の公務員か私立の警備会社所属者に限られているはずだが、国内では不法所持の銃が全流通量の47・6%に当たる760万丁もあるという。
 リオの事件は、精神的に問題を持つ容疑者が、在学中に受けたいじめを根に持ち、女子生徒中心に狙い撃ったとされ、米国での校内乱射事件関係者からの慰めのメッセージも届いているが、11日には、エレベーター内で喧嘩となった弁護士が事務所から持ち出した拳銃で相手の警察官にケガを負わせる事件も起きるなど、銃にまつわる事件は数多い。
 リオの事件で使われた拳銃の一つを260レアルで売りつけた男性2人は既に捕まったが、2人の背後にいた別の男性は行方不明。麻薬密売者などの裏ルートの存在や、未成年者にも射撃を教える場所があるなどの問題も早期解決が必要だ。