ニッケイ新聞 2011年4月14日付け
損保ジャパングループ・南米安田保険の米倉立二郎社長(61、神奈川)が帰朝することになり、新任の遠藤秀憲氏(51、千葉)と共に来社した。
米倉氏は2001年の9・11同時多発テロの2カ月前にニューヨークに赴任し、世界的な激動の現場に立ち合わせた後、05年10月にブラジルに赴任、翌年3月から社長に就任していた。09年には150億円もの巨額投資を行い、ブラジル大手保険会社マリチマ・セグーロ社の普通株式の50%を取得し、勢いのある創立50周年を祝った。
「この6年早かったです」と前置きし、「保険には市場の規模も必要だが、自由な商売ができる環境が無いとダメ。その点ブラジルには十分な規模と成長の勢いがあり、他の新興国より規制が少ない」と利点を強調する。「5〜10年の期間でみれば世界で一番有望なマーケット。中国、インドの比ではない」と断言する。
米倉氏は帰朝後、損保ジャパンの常勤顧問に就任し、国際関係ビジネスを担当する。東日本大震災(3月11日)の直ぐ後に帰朝するタイミングであり、保険支払いを巡る大変な仕事が待っている。「9・11、3・11と〃11〃は良くない数字ですな」と笑う。
1日付けで着任した遠藤新社長は、「日本の高度経済成長期の勢いがここにある」と印象を語る。保険業界全体では毎年15〜20%も規模が拡大している。同社の成績も同様の比率で拡大してきたので業界順位は変わらない。今までは敢えて伸びを抑えて体力を付ける時期だったが、これからは「ブラジルの発展の早さに組織としてどこまで付いていけるかが課題。25〜30%伸ばしたい。どこまで業界水準の上をいけるか」との抱負をのべた。