ニッケイ新聞 2011年4月15日付け
14日、応用経済研究院(Ipae)から発表された調査『ブラジル空港への投資と見込み、問題点』では、2014年に開催されるFIFAワールドカップ(W杯)のために近代化や拡張を必要としている国内13カ所の空港の内、9カ所は期限内の完成は無理と判断しており、別の1カ所もW杯が開催される月に完成の予定と、14日付エスタード紙サイトなどが報じた。
Ipaeの発表によると、アマゾナス州のマナウス、セアラ州のフォルタレーザ、連邦直轄区のブラジリア、サンパウロ州のグアルーリョスとカンピーナス、バイア州のサルヴァドール、マット・グロッソ州のクイアバー、ミナス・ジェライス州のコンフィンス、リオ・グランデ・ド・スル州のポルト・アレグレの各空港は14年までの完成はないと判断。パラナ州クリチーバの空港は予定通りに工事が進めば、W杯開催直前の14年6月に完成する見込み。同調査は連邦会計検査院(TCU)からの質問などの問題点を考慮しておらず、ある意味で楽観的な見方をしている。
この結論は公共工事の平均期間に基づいてIpaeが発表したもので、全て完成するには7年以上(92カ月)かかると推測している。
リオデジャネイロ州のガレオン空港は、すでに工事が進んでおり、運用状況も十分なため、開催日までの完成が期待されている。また、レシフェ空港も管制塔の建設を必要とするのみで、期限内に完成の予定だ。
一方、リオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタールで建設中の新しい空港は、Infraero(ブラジル空港インフラ業務公社)からのデータ不足により完成予定日が推測されなかった。
先月末、FIFAのジョゼフ・ブラッテ会長は、ブラジルに対しW杯準備の遅れを警告したが、これに対しスポーツ大臣のオルランド・シルヴ氏は、ジウマ大統領が中国訪問から帰国後すぐに、空港システムにおける技術革新を発表する予定だという。