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東日本大震災=小原彰少将が被災地へ=日本復興支援の一助に

ニッケイ新聞 2011年4月21日付け

 小原彰陸軍予備役少将(71、アラサツーバ出身)が5月1日から日本を訪れ、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島各県を訪問することが決まった。災害救援を担当するブラジル家統合省や駐伯日本大使館、宮城県などと調整を進めており、視察の結果をブラジルからの支援活動に役立てることを目指す。
 日系人初の陸軍少将である小原氏。両親は熊本県出身で、父親は熊本第6師団軍曹として日露戦争に出征、負傷し、金鵄勲章を受けたという。小原少将は、「父は日本のために血を流したが、僕は何もしていない。自分の目、心で被災地を見て、励ましの言葉を伝えたい。日系人には日本人の心がある。ブラジルに日本の心を持つ人がいることを伝えたい」と思いを語る。
 小原少将から相談を受け、宮城県人会の中沢宏一会長が村井嘉弘県知事に連絡。ハイチ地震の際にテントなどの救援物資支援に携わったサンスイ社の平崎靖之さんが日本大使館や国家統合省と調整を行っており、同省から関係者が同行することも検討されているという。同行した小川彰夫リベルダーデ地区治安協議会会長も、「日本や伯政府との関係があってこそこうしたプロジェクトが立上る。何事にも人材が必要」と期待を寄せる。
 また、2月に来伯した五百旗真防衛大学校長が政府の復興対策本部長に就任したことから、大使館を通じて伝えているという。
 小原少将は1日から27日まで訪日し、多くの犠牲者が出た宮城県の自衛隊多賀城駐屯地、石巻市、気仙沼市、南三陸町、岩手県陸前高田市や、福島県の原発災害関係地を訪問する予定。また、最初の日本人がサンタカタリーナ州フロリアノポリスに到着してから200周年の記念行事で小原少将が記念碑建立などに携わったことから、同州政府のメッセージも携えていく。
 帰国後は報告会を行い、ブラジルの関係者に協力を働きかけて被災地再建の一助となるよう努力したいとしている。