ニッケイ新聞 2011年4月26日付け
サンパウロ州海岸部プライア・グランデで18日夜、瓦礫などを入れたカサンバから生後2週間足らずの女児が発見され、全国に衝撃を与えた。
カサンバに女性が何かを置き去った場面、ゴミ回収者の男性が空き缶などを探していて女児を発見した様子は、付近の防犯カメラに映っており、テレビでも報道された。
女児を発見した男性は驚きの余り目を疑い、傍の学校から教師を連れて戻ってきたが、袋の中の女児は、人工呼吸を施されて初めて動き始めるほど衰弱していた。
警官も駆け付け、病院に運ばれた女児は、〃ヴィットリア(勝利)〃と名付けられ、集中治療室入院中だが、近日中に一般病室に移される。
女児を捨てたのは実母で、23日の逮捕後、他に6人の子がおり月収600レアルでは育児不能と絶望しての行動だと供述。父親とされる男性は4人の子持ちで、妊娠を知らなかったという。
女児については、駆け付けた警官や病院の看護婦ら大勢の人が養女にと申し出ているが、当局は女児の回復と母親の状態を見て判断する意向。
もう少し発見が遅れたら助からなかったといわれた女児発見の男性は、失業して妻も失い、一月前から路上で生活し始めていたが、今回の事件で再出発をとの願いも持ち始めているという。