ニッケイ新聞 2011年4月28日付け
ジウマ・ロウセフ大統領は、次の外交先としてパラグアイやウルグアイなどのメルコスル加盟国を予定しており、イタマラチ(外務省)は年末までにブルガリアへの訪問も日程に入れる意向と、24日付エスタード紙が報じた。
中国訪問から帰国したばかりのジウマ大統領は、近いうちに新たな外交旅行のため、再び大統領専用機に搭乗する。今後数カ月の間に、隣国のメルコスル加盟国から父親の母国ブルガリアなど、少なくとも8カ国訪問が予定されているが、その主な目的は、ブラジルへ新しいビジネスを引き付けること。
ルーラ前大統領にも勝る勢いで外交に取り組むジウマ大統領は、自らの外交の目標を、ブラジルの貿易収支を良くするための関係拡大と明言している。
外務省が立てたスケジュールについて、大統領は常に、「我々はこの外交から何を得るか?」と最初に質問しており、今後のスケジュールの第一段階では、南米を回る事になっている。現在日程が決まっているのは、5月15日のパラグアイ以下、23日にウルグアイ、6月5日にベネズエラ訪問となっている。
パラグアイでは、イタイプ発電所の電力料金の見直しについての話し合いが主題だが、パラグアイのGDPは2010年に10・9%の成長をみせており、ブラジル側の興味を引いている。
ウルグアイでは、ジョゼ・ムジカ大統領と、なぜウルグアイが大規模な外国投資の誘致に困難しているかを話し合うつもり。また、生産量が少ないものの、品質でブラジルに勝る農牧畜業に関する協力協定についての話も課題に入っている。
もう一つ上半期中に訪問を予定しているチリでは、40キロメートルを残すだけとなったサントスからボリビア経由でチリ北部に繋がるビオセアニカ高速道路の建設や、アタカマ砂漠への世界最大級の望遠鏡を持つ天文台建設、日伯方式のデジタルテレビ導入など、ブラジルにとっても重要な四つのプロジェクトについて話し合う予定だ。