ニッケイ新聞 2011年4月29日付け
予算削減の影響で、国境で商品や武器の密入が容易になっていると、18日付フォーリャ紙が報じたが、28日付同紙では、ブラジル中で最も監視が厳しいとされる国境でも、違法な拳銃などがモト・ボーイ(バイク便)を利用して簡単に国内に持ち込まれていると、報じている。
26日、パラグアイのシウダ・デル・エステ(Ciudad del Este)とパラナ州フォス・ド・イグアスを分ける国境のパラグアイ側で、『フォーリャ紙』は38口径の回転式拳銃を購入した。
シウダ・デル・エステ市のカサ・イ・ペスカ(Caza y Pesca)という名前の店の奥で38口径の回転式拳銃と銃弾を購入したところ、販売者はすぐさま配達人を呼び出し、目の前でオートバイの座席の一部に拳銃を隠しこんだ。
拳銃は700レアルで売られ、50発の銃弾に110レアル、配達料に130レアル、購入者を国境のブラジル側に運ぶオートバイ・タクシーのために10レアルが支払われた。
購入者はオートバイ・タクシーでブラジル側の待ち合わせ場所まで運ばれ、配達人が国境を渡った後、拳銃を受け渡されるというシステム。
パラグアイでの拳銃の購入は、パラグアイ国民か、パラグアイに居住しており、警察か司法によって承認された外国人のみに許されている。
連邦警察によると、ブラジル内で出回っている1千600万丁の拳銃のうち半分は違法なもので、その大半はブラジル国内で製造されているが、一度国外へ売られた後、また国内へと返ってくるという。
『フォーリャ紙』は購入当日、フォス・ド・イグアスの連邦警察に銃を渡し、詳細を説明した。