ニッケイ新聞 2011年4月30日付け
45カ国の政府、経済関係者ら700人が参加してリオ市で開催中の世界経済フォーラムで、ブラジルやラ米諸国の好況を羨む声と共に、消費加熱などに留意する様、警鐘も鳴らされたと29日付伯字紙が報じた。
フォーラムは28日、シティバンクのヴィクラム・パンディット理事の「ラ米やブラジルの好況は羨むばかり」との賞賛と、米州開発銀行のルイス・アルベルト・モレノ総裁の「新興国の直面する問題はインフレ抑制だ」との警告など、手放しで喜べない内容で始まった。
国内総生産の4〜6%という経済成長は先進国には羨むべき数字だが、ブラジルの場合、経済過熱に伴うインフレや為替の不均衡、複雑で高い税金、中国への依存度の高まりなどが懸念材料。基幹構造整備や教育、技術開発などの遅れにも言及がなされたという。
「ラ米諸国にとって中国は脅威」との発言は、ブルッキングス研究所ラ米担当主任でコロンビア開発相も務めた事があるマウリシオ・カルデナス氏。中国はコモディティ購入などで域内経済を牽引する一方、巨額な投資など、将来的な懸念材料も抱えているという。
労働者党(PT)党首交代劇回避のため、参加を1日遅らせたジウマ大統領は、28日の特別講演を29日に行ったが、PTは29日、病気療養中のジョゼ・E・ドゥットラ党首の辞任を認め、副党首のルイ・ファルコン下議を後任に決めた。