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メーデーの舞台にPSDB=インフレ対策不足説く=ジウマ大統領は肺炎で欠席=購買力維持は全員の関心事

ニッケイ新聞 2011年5月3日付け

 〃労働者の日〃の5月1日、サンパウロ市で開催されたメーデー恒例の労働組合の集会は、ルーラ前大統領やジウマ大統領が欠席する一方、野党のブラジル民主社会党(PSDB)アエシオ・ネーヴェス上院議員とジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が出席するなど、例年とは異なった様相を見せた。

 2日付伯字紙によると、ジウマ大統領の欠席は肺炎の初期症状で大事をとったためというが、例年は労組集会の先頭を切って進む労働者党(PT)が大看板の大統領や前大統領不在という状況は、インフレ圧力が高まる中で、最低賃金で折り合いが付かなかった労組との緊張回避との意向が働いた可能性もある。
 その反面、PSDBの方は、次期大統領選候補の声が高いアエシオ上議が登壇し、「インフレの最初の犠牲者は労働者階級」で、「野党として、インフレ再燃を前に十分な対策を講じていない政府告発の立場を明確にするために来た」と発言するなど、従来以上に中流階級重視の姿勢を打ち出したようだ。
 今年のインフレは下半期には7〜8%に達するとの予測もある中、アエシオ氏は、「政府のインフレ対策は生ぬるい」との表現で消費者の購買力低下を招く事への警鐘を鳴らした。
 一連の発言は、フォルサ・シンジカルと総労連(CGTB)など4労組が共同で開催した集会でのもので、ジウマ大統領代理として出席したジウベルト・カルバーリョ大統領府総務長官は、大統領の「インフレが労働者の購買力を低下させるような事態は何としても阻止する」との文書を代読し、政府は既に対策を講じていると明言した。
 2012年の市長選や2014年の大統領選で勝つには労働者階級の支持票確保が不可欠との考えは、フェルナンド・H・カルドーゾ元大統領やルーラ前大統領も強調している中、PSDBがアエシオ氏を送り込み、高進予想が続くインフレに対する政府の無策を批判したのに対し、政府側の反論が文書代読で終ったのは、劣勢挽回のための野党側の熱意と取るべきか、政府、与党のゆとりと取るべきか。
 4月30日付エスタード紙などには、ルーラ前大統領がサンパウロ州PSDBの混乱で来年のサンパウロ市長選でのPT勝利は確実との見方を示したとあるが、PSDB側は、党分裂を招くような混乱は起きておらず、結束は一層固くなると反論している。
 同党混乱の引き金ともなったカサビサンパウロ市長の新政党は、ルイ・ファルコンPT新党首が与党とはみなさないと発言するなど、政界の動きはまだ流動的だが、インフレを抑制しつつ、経済成長と購買力を維持するという課題に政府がどう取り組むかも注目されている。

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