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仏447便=ブラックボックス発見=事故原因の解明に期待膨らむ

ニッケイ新聞 2011年5月3日付け

 2009年5月31日、リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス機447便(乗客乗員228人)が大西洋に墜落した事故で、フランス航空事故調査機関(BEA)が1日、現場の海底から飛行記録が入ったブラックボックスの一つを約2年ぶりに回収したと、2日付エスタード紙が報じた。
 ブラックボックスは1日、早朝5時頃(ブラジリア時間)に発見された。まだ解析は始まっていないものの、ブラックボックスの状態は良好で、これまで謎だった事故原因の解明が進むと期待されている。
 BEAによると、今後15日の間にフランスの捜査員らによって、今回回収されたブラックボックスからの飛行記録の抽出、分析が可能かどうかの判断を下すという。
 BEAの取締役ジェアン・パウル・トゥロアデック氏は、「FDR(通称フライト・レコーダー)は飛行中の飛行速度や通過地点などを記録しているため、データーを抽出できれば、調査が大きく前進することになる」と述べている。
 これに対しブラジルの447便の被害者の家族の会のネルソン・ファリアマリンニョ会長は、事故に関する情報の幅広い普及のため、ブラックボックスのデーターの抽出、分析はアメリカなどの中立国が行うべきだと話している。
 墜落機はエアバス社製で、出発後、「乱気流に巻き込まれた」との連絡を最後に墜落しており、228人全員が死亡した。
 フランスは、深海探査艇などを使ったブラックボックス発見に全力を挙げてきており、2年越しの執念が実った形となった。コックピット内の操縦士達の会話を記録したボイス・レコーダーはまだ発見されていない。

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