ニッケイ新聞 2011年5月4日付け
政府は、今年7月からRG(身分証明書)に替わって発行されるRIC(市民識別情報登録書)の発行料40レアルを国民から徴収する事を決めた。しかし、行政側はこの金額を15レアルまで引き落とす方法を模索中と、5月3日付フォーリャ紙が報じた。
現在、RGの発行料徴収に関する法律ははっきりされておらず、連邦直轄区や国内11州(サンパウロ州やリオ州、バイア州など)では、RGを無料で発行している。
他15州ではRGの発行料を請求しており、その額は各州が定めるため、州によって5〜28・25レアルと大きな差がある。RGの発行は各州の管轄の下で行われており、発行料も各州の会計に繰り込まれる。
RICの発行料について法務省と話し合っている委員会のパウロ・アイラン事務局長は、「各州が異なった金額を請求するのはおかしい」と述べている。
ルーラ政権時代に出された新型RG発行案は今年1月から実施の予定だったが、RIC作成コストが高く、RGとの置き換えが遅れている。
政府によると、RICにはICチップが内蔵されており、デジタル情報を記録するなど、インターネットでも使うことができるため、現行のRG発行料よりも高くつくというが、実際のRIC発行経費は20レアルしかかからず、なぜ2倍の40レアルを請求しようとしているのかは説明されていない。また、RGとCPFの番号のRICへの統一記載は、今のところ諦めている。
連邦政府は200万枚分のRIC発行費を補助する意向で、この分は全国で無料配布される事になる。残りの人達はRICの発行料を払わなければならないが、生活扶助(ボウサ・ファミリア)受給者は発行料免除となる見込みだ。
政府の見通しでは、2012年までに発行されるRICは800万と見られ、その翌年には2千万に達する見込み。発行数は時間と共に徐々に増え、9年後には国民全員がRGをRICに取り換えていると想定。RGが全部RICと入れ替わった時点で、RGに関する現行法は消滅する。